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2008年2月16日土曜日
選挙 = 民主主義 ではない
選挙は民主主義の必要条件であるが、十分条件ではない。選挙の結果、民主主義の政党が勝った場合のみ民主主義と言える。
民主主義を標榜する政党が本当に国民の支持を得ているのかを確認する為に選挙をすることが必要であり、民主主義国家であろうとすれば、選挙は必要である。
が、その結果、民主主義を標榜しない政党や、明らかに政党内部に民主主義が欠落している政党が政権を得る場合もある。そのような結果を民意と呼び、民主主義の結果だ、と叫ぶことが正しいのであろうか。
このような事態は、発展途上国や低開発国では頻繁にみられるものである。
民主化して選挙をしたら、あっというまに軍事独裁政権に変わってしまった、という例はいたるところにある。
【民主主義者が勝った場合のみ民主主義】
選挙それ事態は、民主主義ではない。しかし、選挙を主張するのは民主主義者である。民主主義者以外の者が選挙を主張することは稀である。
このことが誤解を産んでいる。選挙をすれば民主主義であり、その結果生まれた政権は、民意を得ている民主主義の政権なのであると。
なるほど、民意は得ているのかもしれない。しかしそれは「民主主義を否定するという民意」に他ならない。民主主義の政党以外の政党に政権を任せれば、以後の民主的施策が行なわれることはないのだから。選挙それ自体、次回も行なわれるかどうか保証の限りではない。
民主主義者が勝利したときのみ、次回以降の選挙開催も保証される。民主主義者が敗北するということは、その国がいまだ民主主義を持ち得るほどの熟成を果たしていないという証拠である。
繰り返すが、民主主義の政党が選挙で勝った場合のみ、民主主義国と言えるのだ。
だから今、日本の政治は民主主義の危機に直面している。民主党の政党内民主主義は幼稚であるのに、参議院の議席数をネタに政権交代を叫んでいるがゆえに。